■プレイ・サービス
M系
■コメント
「ん?……」
いつものようにスマホでお店をザッピングしてた僕の手が、ある女の子の日記で止まった。
画面の向こうの【しゅう】さんは、551の豚まんの竹皮を綺麗に剥がすことに執着し、トイレのタンクの鎖を直しただけで得意げにする、
ひどく愛らしい平熱の日常を生きていた。
その飾らない言葉たちが紡ぎ出す実在感に惹かれた僕は、いても立ってもいられなくなり、彼女に会うため福原へと足を向けた。
――店に着いて部屋で出迎えてくれたのは、黒髪セミロングにまーるいほっぺがキュートな、こういう場所に不釣り合いな女の子だった。
部屋の隅には、日記で見覚えのあるぬいぐるみと、カエルのボディーソープボトルが佇んでいる。
女の子の私室に招かれたかのような趣と、思い描いていた“カワイイ”のハードルを軽々と超えてきた彼女のビジュに、僕の期待値メーターは振り切った。
すると、僕の昂ぶりを感じ取ったのか、彼女は躊躇いなく体を寄せて物理的距離を詰めてくる。
その時、斜め45度から見上げてくる彼女の、熱を帯びたまっすぐな視線に、僕は一瞬、呼吸が止まりそうになった。
「スケベモードになると目つきが変わる」――日記で彼女が予告していた言葉が脳裏をよぎる。
愛らしい普通の女の子から、目の前で艶めかしくしなる姿へと、それはまるで2つの人格を行き来する振り子のようで…
男はこういうインモラルにめっぽう弱い。
そして、彼女の体温によって、僕の全身の感覚はざわめき立ち、倒錯した全能感が脳内を埋め尽くした時、視界は真っ白に弾けた。
――再び“女の子の私室”の静けさを取り戻した空間で、彼女の目が僕に語りかける。
「幸せのバトン、ちゃんと渡ったかな?」
いつかの日記の言葉を思い出しながら、確かに受け取ったよ、と心の中で答える。
【しゅう】さんの名前の由来は「シュークリームの妖精」らしい。
帰り道、紅潮した頬をなでる風を感じながら、僕はもう次の“甘いチートデイ”のことばかり考えていた。